街が静かに眠りにつくころ、私は読書の手を休め無線機のスイッチをオンにします。
ザーッというノイズがしばらく続いて、無線から私の耳へと声が届きます。
<走行中の各列車。各列車。こちらは明阪指令。まもなく0時をお知らせします。>
そう言うと、しばらく間をおいて
<ピッ・ピッ・ピッ・ポーン>
明日が今日に変わっても、無線の声は何事もなかったように続きます。
<現在の外気温は18℃。各列車の担当乗務員は、指差確認喚呼を励行し、安全な輸送に努めてください。以上、明阪指令。>
私の主人は、明阪電車の運転士。
思い思いの目的を背負って、人それぞれの生活や想いを背負って、彼は電車のハンドルを握っています。
主人や、その仲間たちの仕事は、地球が回るように当たり前で、さりげなく、正確でなくてはなりません。
そして、彼がハンドルを握る電車も、定刻で何事もなく、人々の当たり前を運んでいます。
眠る前の静かなひととき。
淡々と流れる時報を聴きながら、私は無事に働く主人の姿に思いを馳せています。
これからもずっと、当たり前の日々という幸せが続きますように。
そう祈りながら、私は眠りに就くのです。
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